2015年の活動

2015年1月10日、日刊工業新聞社において午前中は総会を行い、午後から第248回関西品質工学研究会を実施、参加者は40名であった。

1.新春記念講演「何が、品質工学の普及を妨げるのか」(原顧問)の講演があった。①ぬるま湯の中で育った人は、終戦直後のような苦労を知らず、現状を打破しようという強烈な思いを持ったことがない。頭脳は優秀でも、そういう人たちが指導者になった結果、停滞している現状を招いているのではないか。…という稲盛和夫氏の話には全く同感で、品質工学の普及にも強い意志を持って臨んでもらいたい。②(1)『目的は何かを明確にする』、(2)『技術課題を設定する』、(3)『品質工学は問題を解決しない』、(4)『品質特性を測ってはならない』、(5)『試験や検査では品質は改善できない』、(6)『品質工学は一般論は議論しない』、と田口先生が言われているが、このままでは初心者に伝わらない。我々が理解してもらえるように伝えていく必要がある。

2.「実験計画・パラメータ設計・MTシステムとの出会い」(立林):富士ゼロックス社での品質工学推進の過程と自身の活動を事例の概要説明も交えて紹介。

3.「品質工学会 齊藤会長 との意見交換会」(齊藤会長):会員から様々な意見・要望が出された。4.場所を変え新年会で引き続き議論した。       (三菱日立パワーシステムズ(株) 高濱 正幸 記)

2015年2月6日(金)第249回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は29名。1.シマノ/井上氏から「MT法によるフェースギヤ亜鉛ダイカスト成形の異常判定」の事例相談があり、判定精度を高めるための特徴量の取り方について検討した。

2.村田製作所/鈴木氏から「購入品の機能性評価」について事例相談があり、短時間で評価する考え方、その時の誤差因子の与え方、などについて検討した。

3.和歌山大学/西野氏、藤田氏から「光電脈波信号を用いたクラス分類によるカフレス血圧推定」、「機械学習の手法とマハラノビス距離による手法の比較」について紹介があり、データをクラス分類する方法論としてRandamForestsとマハラノビス距離を取り上げ比較検討された結果、などについて意見が交わされた。4.「田口玄一論説集第3巻第1編 第9章SN比の効用」の輪読を行い、直交表で交互作用をチェックする考え方、研究室で交互作用を無く事の意義、感度やSN比に加法性を持たせる考え方、SN比と交互作用の関係、などについて理解を深めた。      (マツダ㈱ 武重 伸秀 記)

2015年3月7日(土)、日刊工業新聞社大阪支社において第250回関西品質工学研究会を開催した。参加者は30名であった。1.三菱電機/鐡見氏から「品質工学のテキスト作成に向けて」のテーマ検討があった。本研究会で進めようとしているテキスト作成について世にない有益なテキストを作るための提案があり、議論を深めた。そして、テキスト作成ワーキンググループを結成して進めていく方向を確認した。2.ブラザー/加藤氏から「熱溶着条件最適化プロセス」のテーマ検討があった。パウチ容器の溶着条件に関する評価方法及びプロセスについて相談があり、機能の定義や特性値に関してアドバイスや議論を交わした。3.「田口玄一論説集第3巻」輪読として「第2編第1章SN比とは」の紹介と議論を行った。SN比の定義や誤差分散について活発な議論を行い理解を深めた。4.その他、オムロン パーソネル/真崎氏から「電気回路・応力解析のパラメータ設計事例及び、薄肉成形品のそりのCAE解析精度向上方法について」、川崎重工業/冨永氏から「ロボットを用いた機械加工における加工状況診断について」のテーマ検討があった。5.「機能性」「MTシステム基礎」「QE高度化」「MT応用」に分かれて、今期の活動計画に関して議論した。(村田機械(株) 河島 清孝 記)

2015年4月3 日(金)、日刊工業新聞社大阪支社において第251回関西品質工学研究会を開催した。参加者は34名であった。

1.ヨクスル/高木氏から「合気の原理を体得するための工学的学習法」のテーマ検討があった。人間のすることに品質工学を適用できないかと考え、本テーマで基本機能、制御因子、誤差を検討し直交実験を試みた結果を提案され、それに対して議論を行った。

2.三菱重工/佐伯氏から「SUS部材の面圧負荷状態における摺動特性の評価」の論文紹介があった。基本機能や誤差に関して議論を交わした。

3.「田口玄一論説集」輪読として「第2巻第1編第2章 同時統計量とSN比」の紹介と議論を行いSN比の考え方の理解を深めた。

4.その他、オムロン/中野氏から「レーザー溶接技術の最適化(金属筺体の封止接合)」、ユニチカ/阪倉氏からも1件のテーマ検討があった。

5.「機能性」「MTシステム基礎」「QE高度化」「MT発展&SW」に分かれて議論を交わした。

6.有志にてQEセミナーで使用するテキスト作成に関する議論を行った。(村田機械(株) 河島 清孝 記)

2015年5月8日(金)、日刊工業新聞社大阪支社において第252回関西品質工学研究会を開催した。参加者は28名であった。

1.コニカミノルタ/芝野氏から「ソフトウェア評価での品質工学活用の課題」のテーマ検討として、松浦機械様の「ソフトウェア開発における設計過程への品質工学的手法の導入」(2011年QES)についての内容検証が行われた。効率定義は単位時間当たりに検証した信号の範囲、組合せ数とすべきではないかなど議論がなされた。

2.三菱重工/佐伯氏から「人間作業工程のパラメータ設計」のテーマ検討があった。

3.シマノ/太田会長より「望大、望小特性のSN比について」のテーマ検討があり、エネルギーを有効成分と有害成分に分けるという品質工学のSN比の考え方を元に、望大、望小のSN比のあり方について議論がなされた。

4.「田口玄一論説集」輪読として、「第2巻第1編第3章 特性値の分類とSN比」の紹介がありSN比の考え方の理解を深めた。

5.その他、マツダ/吉村氏から1件の事例相談があった。

6.ワーキンググループ:「機能性」「QE高度化」「MT発展&SW」の3グループに分かれて、活発な議論を行った。7.有志にてQEセミナーで使用するテキスト作成に関する議論を行った。(村田機械(株) 一階朋之 記)

2015年6月12 日(金)、関西、滋賀、京都の3研究会合同の「第13回関西地区合同品質工学シンポジウムin京都-よくわかる品質工学の考え方-」をキャンパスプラザ京都にて、参加者103名で開催した。

招待事例1「大型プラントメンテナンス用硬化肉盛溶接材料の仕上げ加工に関する研究」日本工業大学/二ノ宮:大型プラントのメンテナンス故に良い機械が使えないという難しい加工にトライし、低騒音化や省エネなど多くの実用的な成果を得られた。

招待事例2「リニアソレノイドにおける推力特性の最適化設計」アイシン精機/山口:自動車エンジンのOCVに使用されるリニアソレノイドの最適化設計プロセスを確立し、許容差設計も行い良好な結果が得られた。

事例3「社内における品質工学講習会の工夫について」SCREENセミコンダクタ-ソリューションズ/今村:パラメータ設計を体感できる実習を組込むなど工夫ある講習会の取組みを紹介した。

事例4「光触媒担持繊維フィルターの開発」東英産業/太田:繊維への担持処理条件の最適化とフィルター形状の最適化、評価方法について相談した。

事例5「MT法によるフェースギヤ亜鉛ダイカスト成型の異常判定」シマノ/井上:射出成型プロセス時の圧力波形データからピッチ誤差を推定し、更に影響度の高い成形要因を見つける事ができた。提案「Quality for Kidsについて」A.S.I/田口伸:子供たちへの品質工学教育の取り組み紹介や提案があった。それを受けて、発表者や参加者によるディスカッション「品質工学をどう教えるか」を行い、学生や社内技術者への教育について議論を交わした。原顧問の講評では叱咤激励の言葉があり、シンポジウムは成功裏に終了した。 (村田機械(株) 河島 清孝 記)

2015年7月4日(土)第254回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は36名。1.リコー/渡辺氏から「光センサのSN比の計算方法の検討」の事例相談があり、光センサの微小信号の評価に使用するSN比の計算方法についての紹介があった。ここでは、半導体の基本機能についての検討も行い、光は標示因子とし、電圧と電流の基本機能で評価すべきとの意見があった。

2.エクゼティ/薮田氏から「MAG溶接歪の低減」の事例相談があった。溶接結果の評価を、目的特性の溶接深さではなく、フックの法則の基本機能で評価すべきとの意見があった。

3.村田製作所/中野氏から「マスク治具の改善」の事例相談があった。

4.田口玄一論説集第3巻」輪読として、「第5編 第1章 目的機能と基本機能」の紹介と議論を行った。車のエンジンの事例を通し、基本機能の本質について議論した。基本機能の考え方には時間の概念を考慮し、目的機能や目的特性では問題の根本的な解決にはならないことの理解を深めた。

5.村田機械/荘所氏から「電子レンジの定着」の事例相談があり、印刷時のインクをマイクロ波で定着させる時の温度制御方法についての相談があった。

6.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「QE高度化」「MT応用」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。((株)シマノ 井上 徹夫 記)

2015年8月1日(土)第255回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は32名。1.リコーテクノロジーズ/川西氏より「パンチくずの除電機能パラメータ設計」(QES2015 No.49)の事例相談があり、よりよい開発プロセスについて議論が交わされた。

2.三菱電機/鶴田氏より「設計の品質リスクを未然にあぶり出す新手法“XCNR”(クロスチェック付きなぜなぜ分析R)」の事例相談があり、設計開発のできるだけ上流で機能性評価を適用することの効果について議論が交わされた。

3.「田口玄一論説集第3巻」輪読の第16回として、「第5編第2章 目的機能と基本機能(2)」の紹介があり、田口氏の考え方への理解を深めた。

4.マツダ/野本氏より「“工場空調の最適化”(QES2015 No.45)」の論文紹介があった。

5.ワーキンググループ:QES2015で発表されたテーマに対し、6グループに分かれて活発な議論を行った。(村田機械(株) 一階朋之 記)

2015年9月5日(土)第256回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は35名。1.グラスバレー/荒木氏から「ソフトウェアのロバストネス」の事例相談がった。

2.北陽電機の嶋崎氏から「光データ転送装置に於ける受光回路最適化」の事例相談があった。受光回路の基本機能から、計測すべき評価値を、温度変化による共振周波数の変化量と設定した。パラメータ実験の結果、品質の良いインダクタを選定することができ、確認実験でも、利得の再現性が確認されたが、機能性評価とパラメータ設計を分けて行うべきとの意見があった。

3.招待事例として、アマノ/鈴木氏より、「MT法を利用したFFT重心観察による信号監視技術」、「静特性 望目特性SN比のみなおし」、「圧縮ばねの最適設計手法の提案」の3つの話題提供があった。MT法に関しては、FFTデータの分割や閾値の定義についての議論があり、またSN比に関しては、提案されたSN比の計算過程に対して、SN比は対象とする技術に応じて選定されるべきなど多くの意見があり活発に議論した。

4.田口玄一論説集第4巻」輪読として、「第1編 第1章 M情報システム-MT法の基本機能」の紹介と議論を行った。総合判定のSN比について、SN比ではなく寄与率の方がよいのではないかとの意見があった。また、項目診断での判定に関しても、各項目の優劣の判定を、直交表による総合判定か累積判定のどちらが良いのかなど活発な意見が出た。((株)シマノ 井上 徹夫 記)

2015年10月2日(金)、3日(土)第257回関西品質工学研究会(合宿)をしあわせの村(神戸市)にて開催した。出席者は29名。

1.三菱重工/桶本氏から「3D計測器の計測作業短縮に向けた取り組み」の事例相談があった。

2.村田機械/一階氏から「トラバース装置の評価」の事例相談があった。

3.シマノ/福岡氏から「アルマイト染色工程の最適化」の事例相談があった。4.「田口玄一論説集第4巻」輪読として、「第1編 第2章MT法の診断問題」の紹介と議論を行った。MT法を健康診断に活用する場合の単位空間等についての議論を行った。

5.招待講演として、タカノ/中原氏より、「コマ実験セットを使った教育、普及」についての講演があった。コマ実験セットを導入した背景、使い方、効果等の講演をいただいた後、3班に分かれてコマ実験セットの体験を行った。コマの機能、誤差因子、勝てるコマの条件などについて活発な議論が行われた。

6.マツダ/武重氏他から研究会有志によって作成中のテキストの骨子案についての紹介があり、骨子案について議論を行った。(ブラザー工業(株) 加藤 重己 記)

2015年11月6日(金)第258回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者28名。

1. コニカミノルタ/西川氏より「計画欠番法活用について」と題し、代数的に表記して不均一であることを示し、計画欠番法でなくともL18直交表でも逐次近似の際にはB列の値に起因した値となることが示された。

2. 村田機械/河島氏から「パラメータ設計による糸つなぎの改善」の事例相談があった。

3. 招待講演として、佐賀県工業技術センター/平井氏より「佐賀県品質工学研究会の紹介と今年実施した実習セミナーの紹介」と題して講演があった。

4. 「田口玄一論説集第4巻」輪読として、「第1編第3章 健康診断におけるMT法の役割」の紹介と議論があった。

5. マツダ/武重氏より「SN比の整理とケーススタディ」と題し、SN比は“ばらつき”を“技術やデータの特徴に応じて基準化したもの”と捉えるべきとの提案があり、議論を行った。6. ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の3グループに分かれて、活発な議論を行った。(三菱日立パワーシステムズ(株) 高濱 正幸 記)

2015年12月5日(土)第259回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は31名。1. 芝野氏より「経営戦略としての品質工学」と題して経営戦略への品質工学活用方法としてT法(1)による時系列データからの業績予想、品質工学によるロバスト経営の研究等についての報告があり議論を行った。

2.摂南大学/原氏から「大学における品質工学の教育と研究」と題して大学において品質工学の教育をどのように行うべきかについての相談があった。

3.三菱電機/鐡見氏より「電力システムにおける耐電圧規格設定」に関する相談があった。

4. 「田口玄一論説集第4巻」輪読として、「第1編第4章 20世紀のMTS法と21世紀のMT法」の紹介と議論があった。

5. ワーキンググループ:「機能性」「MT基礎」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の4グループに分かれて活発な議論を行った。(ブラザー工業(株) 加藤 重己 記)

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