2014年の活動

2014年1月11日、日刊工業新聞社において午前中は総会を行い、午後から第236回関西品質工学研究会を実施、参加者は42名であった。

2.新春記念講演「誤差について」(原顧問)の講演があった。①増山元三郎著「デタラメの世界」「実験計画法」から、田口玄一が師を越えて脱皮し変化していった過程を探ることができる。必然誤差、再現性等に田口が気づいた過程が重要。現在、品質工学を学ぶ人は、田口の言ったことを守るだけではなく、田口の気づかなかったことに気づいて発展させて欲しい。②現役時代に自ら作成した「設計の空洞化を防ぐ先行技術開発の要点」は今見ても新しく感じる。固有技術のことは述べておらず、戦略を述べていると考えている。これを真似るのではなく、自分の力で作ってみて欲しい。

3.「直交表に少数の実験を追加すれば交互作用が解析できる??」(立林):田中・堀野らが「品質工学セミナー」で示している交互作用解析法について紹介・考察があった。交互作用解析を目的としているが、数理的に問題があると思われることから著者に問い合わせ中である。

4.「直交表の生成方法」(立林):いくつかの直交表生成方法の紹介があった。

5.「「活かす」オンライン品質工学」(畠山):①オンラインQEは決して工場内だけのツールではない、②活用しようとしても種々の悩みがあり、本当に活用するには工夫が必要、等の講演があった。

6.場所を変え新年会で引き続き議論した。(三菱電機(株) 鐡見 太郎 記)

2014年2月7日(金)第237回関西品質工学研究会をエルおおさかにて開催した。出席者37名。

1.ヨクスル高木氏より「これから品質工学に取り組むひとのための簡単教材:円筒紙飛行機」の紹介があった。品質工学を判ってもらうには、機能について考えてもらい、その機能を評価するために何を計測するかについて考えてもらう事が重要。飛行距離や、飛行時間を評価する案がある、などの意見が出た。

2.和歌山大学坂東氏より「変数選択可能なクラス分類による2段階歩行動作推定」の紹介があった。第1段階で、歩行種別(通常歩行)の判別をMTシステムにより行い、第2段階で詳細動作推定(振り出し動作)を決定木により行う方法を安価に開発した。

3. 和歌山大学西田氏より「T法を用いた株価の予測」の紹介があった。精度の検証のためには、リーマンショックのような急変を予測できるかを検証すべき、などの意見があった。

4.日本工業大学二ノ宮氏より「品質工学を通した技術教育と大学の役割」と題し、実務を通した品質工学教育を実践している旨の講演があった。

5.コニカミノルタ西川氏より「アンケート結果のMTS解析」の紹介があった。項目選択では、1つの設問の選択肢のグループは、1つの項目として扱う必要がある等の議論があった。6.マツダ武重氏より「直交展開によるチューニング方法」について紹介があった。直交展開後の、各次数それぞれの曲線の変動を望小特性のSN比で評価して技術者の感覚に合う要因効果図となったことが報告された。7.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。(三菱日立パワーシステムズ(株) 高濱 正幸 記)

2014年3月1日(土)第238回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者38名。1. 三菱電機鐡見氏より「田口玄一論説集第3巻」輪読の第1回として、「第2編 品質工学解題 第1章 その成り立ちと発展(1)」の紹介があった。田口玄一の考え方の理解を促進し、有意義な議論ができるようにするために輪読を行う。

2.シマノ太田氏より「最適実験順序 ランダムが最適はありえない」と題し、割付けられた因子の効果に、実験順序が交絡して正しい要因効果が得られない場合があるため、実験は割付けた全ての列との相関が小さくなる順序で行うべきことが示された。

3. シマノ太田氏より「望大特性と望小特性(その2)」と題し、望大特性は、経済と比例する特性値を用い、その調和平均を求めれば良く、対数をとる必要はないこと。望小特性は、平均の逆数を求めれば良いことが述べられ、評価方法についての議論がなされた。

4.オムロン真崎氏より「標示因子について」相談があった。標示因子がある場合のSN比の計算方法について議論を行った。

5.三菱電機 鐡見氏より「品質工学普及・有効活用に向けた検討」の紹介があった。

6.5つのグループに分けてグループ討議を行った7.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。 (三菱日立パワーシステムズ(株) 高濱 正幸 記)

2014年4月4日(金)第239回関西品質工学研究会を三菱電機(株)先端技術総合研究所にて開催した。午前中はスマートグリット・スマートコミュニティ事業の研究施設を見学し、午後は通常の研究会を行った。出席者は38名。

1. 三菱電機/高橋氏より品質工学便覧に記載されている「超短縮塗装前処理材の最適化」の事例紹介があった。これは自動車用部品の塗装前処理工程を、被膜生成の全反応と副反応の速度差から速度比法により最適化した事例である。化学反応の場合のノイズの設定方法や、速度比法のSN比の考え方などについて議論を交わした。

2.ユニチカ/阪倉氏より、「二軸延伸フィルムの製造工程」についての事例相談があった。

3.太田会長及びシマノ/中島氏より「田口玄一論説集第3巻」輪読の第2回として、「第1章プロローグ」の紹介があった。実験計画法とタグチ式実験計画法の違いや交互作用の影響について意見を交わし、田口氏の考え方への理解を深めた。

4.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。((株)シマノ 井上 徹夫 記)

2014年5月9日(金)第240回関西品質工学研究会を京都・滋賀品質工学研究会と合同で京都府中小企業技術センターにて開催した。出席者は52名。

1.関西研究会/太田会長より「田口玄一論説集第3巻」輪読の第3回として、「第2章 直交展開と2次形式-“統計学”よさようなら?」の紹介があった。誤圧の定義、直交展開した近似式の意義などについて意見を交わし、田口氏の考え方への理解を深めた。

2.関西研究会/生田氏より「液体溶剤容器の耐久性の改善」について相談があり、フックの法則を利用した評価方法などの議論がなされた。

3.産業技術大学院大学/越水先生より「人間を対象としたMTシステムの応用事例」について講演いただき、単位空間の作り方、実用化に向けての課題などについて議論がなされた。4.滋賀研究会/中尾氏より「離型剤の性能評価における品質工学の適用事例」について相談があり、時間と脱型力の変化による評価方法などの議論がなされた。

5.6グループに分かれ、各グループにて活発な議論や相談が行われた。(村田機械(株) 一階朋之 記)

2014年6月7日(土)第241回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は32名。1.オムロン中野氏より論文紹介として「溶接巣撲滅に向けた最適溶接条件の構築」が紹介され、この事例において標準SN比を使用することの是非などについて議論がなされた。2.グラスバレー荒木氏より論文紹介として「ソフトウェア開発への品質工学の適用」が紹介され、ソフトウェアの設計段階への品質工学適用について議論がなされた。3.「「田口玄一論説集第3巻」輪読の第4回として、「第1編第3章 変動と分散、その経済的根拠-望小特性と望大特性」の紹介があった。エネルギーと経済価値との関係、SN比の変遷などについて意見を交わし、田口氏の考え方への理解を深めた。4.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。その他1件の事例相談があった。

(村田機械(株) 一階朋之 記)

2014年7月4日(金)5日(土)第242回関西品質工学研究会(合宿研究会)を、しあわせの村にてASI田口伸先生を招待して開催した。出席者は31名。

1.「「田口玄一論説集第3巻」輪読の第5回として、「第1編 第4章 同時統計量と損失関数」の紹介と議論を行い、田口氏の考え方への理解を深めた。

2.パナソニックの米津さんより「セルフタップねじ用ボス構造の最適化」の事例検討があった。

3.ITEQの植岡さんより話題提供として「テーマ選定のいろいろなやり方」の紹介があり、VOCを引き出すQFD他について議論がなされた。

4.コニカミノルタの芝野さんより「送液制御システムの安定化と調整性」について事例検討があり、フォードバック制御を含むシステムの最適化に際して、フィードバック制御を組み込むか否かの議論がなされた。

5.ASIの田口伸先生より話題提供として「近況報告とASI主催の10日間入門コースと10日間MBB(マスターブラックベルト)コースの概要とポイント」の紹介があった。

6.村田機械の荘所さんより「紙の波打ちの評価方法検討」の事例検討があり、紙波打ちの評価方法に関する議論がなされた。

7.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の3グループに分かれて、活発な議論を行った。その他1件の事例相談があった。 (パナソニック(株) 山口新吾 記)

2014年8月2日(土)第243回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は32名。1.「「田口玄一論説集第3巻」輪読の第6回として、「第1編 第5章 損失関数」の紹介と議論を行い、田口氏の考え方への理解を深めた。

2.ヤンマービジネスサービスの永倉さんより「世界金融危機からアベノミクスに至る為替レート変動の予測-早期警戒システムの提案-」の事例紹介があり、時系列データの予測問題への両側T法の適用に関して有意義な議論を行った。

3.三菱電機の鐡見さんより話題提供として「評価、試験、検証のちがい」があり、有意義な論点なので今後も継続して議論することとなった。

4.ワーキンググループ:「機能性」「MT基礎」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。その他、マツダ 林さんから1件の事例相談があった。 (パナソニック(株) 山口新吾 記)

2014年9月6日(金)第244回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は30名。1.シマノ/井上氏より「品質工学を適用したリール用フェースギヤの開発」の事例相談があり、品質工学を適用した過去の事例の紹介と、今後適用を検討している内容に関する相談があった。負荷がある場合の歯車の基本機能や、回転フィーリングを官能評価する場合の問題点などについて議論を交わした。

2.「田口玄一論説集第3巻」輪読の第7回として、「第1編 第6章 最適解の求め方」の紹介と議論を行い、図的解法、逐次近似法、実験計画法などの違いについて意見を交わし、田口氏の考え方への理解を深めた。

3.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「QE高度化」の3グループに分かれて、活発な議論を行った。その他、村田機械/一階氏から「繊維機械の異常診断」の事例相談と、リコーテクノロジーズ/川西氏から1件の事例相談があった。(シマノ 井上 徹夫 記)

2014年10月3日(金)滋賀県大津市の「コラボしが」において、関西、滋賀、京都の品質工学研究会の合同で、「第12回関西地区合同品質工学シンポジウム」を開催した。出席者は80名。

1.招待講演「欠番直交表について」(松坂テーエムコンサルタンツ(株)松坂昌司氏):本手法を用いることでソフト開発の上流の時点から重大なバグを簡単に検出できる。ソフト開発以外でも有効であるなどの話があった。

2.招待事例「学問を実業に展開させる行動について~品質工学を骨までしゃぶるという事~」(セイコーエプソン(株)畠山鎮氏):国内で開発したLPIシステムを、海外企業における装置の研修や作業性評価、管理指導において適用し、品質工学の考えを普及した。

3.招待講演「技術経営としての品質工学推進の課題」(近岡技術経営研究所 近岡淳氏):28社の企業へのアンケートを基に、品質工学を有効に推進する為には何が必要かを分析した。

4.事例「1Dシミュレーションによる構想段階のパラメータ設計」((株)椿本チェイン中野義和氏):紙コプターを題材に、1Dシミュレーションによって、短時間でパラメータ設計が可能であることを示した。

5.事例「パラメータ設計による色素増感太陽電池の耐久性向上」(グンゼ(株)松原圭佑氏):デバイスの構成条件と工程条件に対しパラメータ設計を4回行うことで、耐久性の向上を実現した。

6.事例「押込変形プロセス試験と引張変形プロセス試験の関連性の検討」(アサヒ技研 中井功氏):材料強度を変形プロセスで考えることで、機能として評価できることを示した。最後に、原和彦顧問からの講評があり、シンポジウムは成功裏に終了した。(村田機械(株) 一階朋之 記)

2014年11月7日(金)第246回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は34名。1.「田口玄一論説集第3巻」輪読の第8回として、「第1編 第7章 レスポンスを求めるのでは再現性が少ない」の紹介と議論を行った。レスポンスの研究と安定性の研究の違いについて意見を交わし、品質工学での直交表の使い方について理解を深めた。

2.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「QE高度化」「MT応用」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。

3. 村田機械/一階氏から「パラメータ設計による微小径ドリル加工の最適化」の事例相談があり、繊維機械の部品加工にパラメータ設計を適用した事例に関する相談があった。曲面への小径ドリル加工での適切なノイズ設定について議論を交わした。

4. ブラザー工業/高田氏から、QES2008「色ずれの評価方法の効率化」の事例による機能性評価に関する相談があった。劣化試験を含めた機能性評価方法における、評価サンプル数やSN比の算出方法に関して意見を交わした。

5. アングルトライ/手島氏から「MTシステムと特徴化」についての技術講演があった。1995年に田口博士から提案のあった、「波形データから存在量と変化量の2つの特徴量を抽出してデータを圧縮する技術」についての紹介があり、他の特徴化手法との違いなどについて議論を行った。(株)シマノ 井上 徹夫 記)

2014年12月6日(土)第247回関西品質工学研究会を日刊工業新聞大阪支社にて開催した。出席者は29名。

1.三菱日立パワーシステムズ/高濱氏より「新しい視点によるジェットエンジンの軸振動設計」の論文紹介があり、損失エネルギーによる評価の是非について議論が交わされた。

2.ヒラタ精機/佐藤氏より「電気基準点データのMT適用による検証」の事例相談があり、MT法を用いた地震予測について議論が交わされた。

3.「「田口玄一論説集第3巻」輪読の第8回として、「第1編第8章 ベクトル量の場合」の紹介があった。複数の目的特性に対する評価方法について意見を交わし、田口氏の考え方への理解を深めた。

4.シマノ/太田氏より「SN比の加法性の検証」の事例相談があり、再現性についての議論が交わされた。5.ワーキンググループ:「機能性」「MTシステム基礎」「MTシステム応用+S/W」「QE高度化」の4グループに分かれて、活発な議論を行った。その他1件の事例相談があった。(村田機械(株) 一階朋之 記)

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